
前々作Kraftwerk と前作Buzzcocks の曲をサーフミュージックでアレンジした The Routes が、 今回はJoy Divisionへ。その名も【Surfin’ Pleasures】。 これまでもただのカバーではなく、「トリビュート」として取り組みを重ねているThe Routes 。 オリジナルの曲から微妙なメロディとリズムのヒントを取り入れるだけで、それらを独自に解釈・アレンジし直し、Joy Divisionの音楽を敬意と愛情を込めて異なる音楽のスタイルで演奏するのがThe Routesのスタイルだ。
「Surfin’ Pleasures」では、Joy Divisionの名曲12曲が、60年代のサーフィンギターのインストゥルメンタルとして解釈・再考され、アレンジされている。 ベンチャーズ、ディック・デイル、シャドウズ、トラッシュメン、寺内タケシ、リンク・レイ、ザ・サーファリス、ザ・アストロノーツなどが代表的なイメージとして挙げられるだろう。 このワイルドなサーフミュージックは、世界中を旅させてくれる。 「A Means To An End」「Ice Age」が、60年代のドラッグレース映画のBGMへ、「Transmission」が、クラシックなアストロノーツのサウンドを奏で、「Digital」が、ビーチパーティーを連想させるアレンジへ。 もちろん、Joy Divisionやサーフミュージックのファンである必要はなく、全てのミュージックファンが楽しめる作品になっている。
レコードカバーは、イギリスのデザイン界のアイコン、「ピーター・サヴィル」と「マルコム・ギャレット」の協力によるもので、ピーター・サヴィルがJoy Division の「Unknown Pleasures 」のためにデザインしたものをリメイクしたもの。 ブリジット・ライリーのオプアートを彷彿とさせるこのカバーの線は、強い電波の波ではなく、reverb tankの音波だ(このアルバムを聞いてもらえればわかるだろう)。
Joy Divisionは崇高なるアーティストだ。 このアルバムが神への冒涜となるのか、新たな解釈で昇華されるのか。決めるのは君自身だ! 1つだけ言えるのは、The Routesがまた心揺さぶられる未来のカルト・クラシックを全世界にリリースしたと言うことだ!
・曲数
12
・曲名
A:
1. Love Will Tear Us Apart
2. A Means To An End
3. Digital
4. These Days
5. Passover
6. Atmosphere
B:
1. Transmission
2. Ice Age
3. She’s Lost Control
4.Isolation
5. Dead Souls
6. Ceremony